自動車には、運転者をアシストしてくれるパワーステアリング装置があり、ハンドルを少ない力で操作出来る仕組みになっています。
パワーステアリング装置には、オイルを使用して油圧で作動させるタイプとバッテリー電源を使用してモーターで作動させるタイプがあります。
オイルを使用している装置には、クランクシャフトプーリー(エンジン)の回転をベルトで伝え、パワーステアリングポンプで油圧を発生させています。
点検整備記録簿のエンジンルーム、パワーステアリング点検を行う場合の解説を、画像を使用して解説していきます。
点検整備記録簿のパワーステアリング点検項目
電動式パワーステアリングには、電動モーターがステアリングギヤ等を直接駆動してアシストとする電動直結式と、オイルポンプを電動モーターで駆動して油圧を発生する電動油圧式がある。
点検は、「ベルトの緩み、損傷」・「取り付けの緩み」・「オイル漏れ」・「オイルの量」になりますが「取り付けの緩み」以外は、「電動式」は点検不要です。
パワーステアリング ベルトの緩み、損傷
- ベルトの緩み、損傷点検
この点検は、ポンプがエンジンで駆動されるベルトタイプのベルトの緩み、損傷のことです。
ベルト(C)全周の内側や外側、また側面に激しい摩耗や損傷、亀裂などをクランクプーリーなど工具で回転させ目視で点検します。緩みなどの点検は、ベルトを手で押さえて張りがあれば完了です。
著しく摩耗していないか、エンジン始動時にベルトの鳴きなどが無ければ良好です。
パワーステアリング 取り付けの緩み点検
- 取り付けの緩み
ギャボクスを点検する場合には、ジャキアップの状態では無くスタンドでボデーを固定してから点検して下さい。ギヤボックス本体やパワーステアリングポンプ(b)の取り付けに緩みがないかをスパナなどの工具を使用して点検、又は手で押す、引くなどのガタの点検。
また、ホースやパイプのクランプ状態など手や目視などで確認します。
パワーステアリング オイル漏れ点検
- オイル漏れ
ギャボックス、ポンプ、パイプ、ホースからの漏れや亀裂、ホースの老化によるふくれなど目視による点検です。
漏れとにじみは違います。
にじみの度合いは、検査官により違ったりします。
不安な場合は修理する方が無難です。
パワーステアリング オイルの量点検
- オイルの量
オイルの量の点検はエンジンの停止の冷間時と冷間、温間時にリザーバタンクにて点検するタイプがあり、温間にするにはエンジンを始動してステアリングを左右に回転を数回行ってから目視による点検になります。
リザーバタンク又はレベルゲージのMAX~MIN間にあること。もし、オイルが著しく減っている場合は漏れが有るので、その箇所を探して修理する必要があります。
定期点検整備記録簿に記載する場合は、上記の内容を把握して記入してください。オイルが漏れているなどの場合は再検になりますので注意が必要です。多少の漏れの場合は、受検時にコースに、向かう前にウエスなどで拭き取ってからコースに並びます。
必要でない時は、エンジンを切っておきます。
パワーステアリング点検のマトメ
ホンダなどの古いタイプはエンジンが左回転なので左側に付いていました。
リザーバタンクのレベルMAX~MIN間で確認、リザーバタンクのホースをたどって行き「オイル漏れ」がないか目視で点検します。
「ベルトの緩み、損傷」・「取り付けの緩み」点検は、エンジンを始動してステアリンクホイール(ハンドル)を左右に切り返して異音がないか確認します。
ベルトのゆるみは、ベルトが鳴き、ゴトゴトなどの異音はポンプ、ギヤボックスの取り付けの緩みが考えられます。
異音の表現は人の感覚で違います、とにかく普段と違う音がしたら異常だと考えましょう。
走行中でも、たまにはオーディオのボリュウムを下げて聞き取る癖をつけてください。
また、発電装置やウオーターポンプなどもベルト駆動がありのすので異音がするからと必ずしもパワーステアリングポンプだとは限りません。
故障又は異常があった場合は、「マニュアル・ステアリング」となりアシストは無くなります。(操作する時の力が多く必要になる)
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