ユーザー車検の定期点検整備記録簿記載時に必要な、公害発散防止装置の概要と点検について、装置の画像を使用して分かりやすく解説しています。
ばい煙・悪真のあるガス・有害なガス等の発散防止装置には、
ブローバイガス還元装置・燃料蒸発ガス排出抑止装置・―酸化炭素等発散防止装置があり、点検整備を行うには、ブローバイガス還元装置のメターリングバルブの状態・配管の損傷があります。
燃料蒸発ガス排出抑止装置には、配管等の損傷・チャコールキャニスタの詰まり及び損傷・チェックバルブの機能などの点検があります。
―酸化炭素等発散防止装置には、触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付の緩み及び損傷・二次空気供給装置の機能・排気ガス再循環装置の機能・減速時排気ガス減少装置の機能・配管の損傷及び取付状態の点検が必要です。
公害発散防止装置一覧
- メターリングバルブの状態
- ブローバイガス還元装置の配管の損傷
- 燃料蒸発ガス排出抑止装置の配管等の損傷
- チャコールキャニスタの詰まり、損傷
- 燃料蒸発ガス排出抑止装置のチェックバルブの機能
- 触媒反応方式等の排出ガス減少装置取付の緩み、損傷
- 二次空気供給装置の機能
- 排気ガス再循環装置の機能
- 減速時排気ガス減少装置の機能
- 一酸化炭素発散防止装置の配管の損傷、取付状態
公害発散防止装置の概要と点検の解説
メターリングバルブの状態
バルブですので片方からは空気が通り、逆からは通らない仕組みとなっています。エンジン側からインレットマニホールドへ流れます。
メターリングバルブ(PCV)が外せる場合は、空気を口で流して状態(片方のみ通る)を確認できます。
またはエンジンを始動してメターリングバルブ(PCV)のホースにウエスをかぶせプライヤーなどでつまんだり、放したりで「カチカチ」音で状態を確認できます。(音が確認できない場合もある)
ブローバイガス還元装置の配管の損傷
エンジンの燃焼室で燃焼した未燃焼ガスがシリンダーとピストンの隙間からクランクケース内に抜けるガスをブローバイガスと言います。
ブローバイガスは、PCVバルブホースからインレットマニホールドへ、そして燃焼室で燃焼されます。
もう片方のホース(ブリーザーホース)は、エアクリーナーよりクランクケース内に吸入新気が供給されます。
ホース又はパイプの損傷やホースのはずれなどを目視で点検します。
※損傷・・・装置の機能を損なう変形・曲がり・摩耗・破損・切損・亀裂・腐食など。
燃料蒸発ガス排出止装置の配管等の損傷
燃料蒸発ガス排出抑止装置とは、ガソリンタンクなどの燃料装置から蒸発するガスの放出を防ぐために必要なもので、排出ガス規制により取り付けられています。
ガソリンタンクからの蒸発ガスは、チェックバルブ~チャコールキャニスタ内部の活性炭(チャコール)に吸着し、エンジン始動後にパージコントロールバルブが開き、インテークニホールドに吸込され燃焼します。
チャコールキャニスターのパイプやホースに、損傷がないかを目視などにより点検します。
チャコールキャニスターの詰まり、損傷
フューエルタンクなどからの燃料蒸発ガスを内部に充てんしたチャコール(活性炭)に吸着させ、一時的に貯蔵する装置です。
チャコールキャニスター本体の損傷状態、ホースの通気状態の点検になります。
キャニスタのフューエルタンク側のホースを外し空気を送り、詰まりがないかを点検する。
基本は、パージコントロールバルブのキャニスタ側のホースに空気を強く吹いたとき通気、パージコントロールバルブのインレットマニホールド側のホースを抜きパージコントロールバルブ方向に強く吹いたとき通気しないこと、さらに大気開放側(空気)から強く吹いたとき通気することを点検します。
燃料蒸発ガス排出抑止装置のチェックバルブの機能
チェックバルブを取り外し、チェックバルブに空気を交互に送り通気状態に差があることを点検します。
尚、チャコールキャニスタにチェックバルブ(2ウェイバルブ)が内蔵されている等、自動車メーカーによって点検方法が異なっています。
触媒等の排出ガス減少装置の取り付けの緩み、損傷
触媒等の取付位置は、エキゾーストマニホールドの直下、エキゾースト・パイプの途中などについています。
工具などで締め付ける、またはゆすってみる、本体の損傷状態を点検確認します。
触媒
触媒コンバータは、排気ガス中に含まれる大気汚染物質(Co・HC・NOX)を触媒の作用によって人体に無害な物質に転換させて低減する装置。
大気汚染物質とは、一酸化炭素(Co)・炭化水素(HC)・窒素酸化物(NOX)
二次空気供給装置の機能
排気ガス中の酸化反応を排気系統で促進させるために必要な空気を、エアポンプ等(リードバルブを用いたものもある)を使用して強制的に送り込む装置です。
二次空気供給装置の機能については、現在使用されていない現状ですが、スバルの車種年式などで使用している場合があります。
知っている範囲では、インプレッサ(原動機型式 EJ20X)・レガシー(ターボ・年式で異なる)・WRX(原動機型式 EJ20)などになります。
ニッサンのGT-R(原動機型式 VQ30DET,VK45DE)も使用しています。
排気ガス再循環装置の機能
EGR装置は、排気ガスの一部を吸気系統に再循環(再度吸気させ燃焼させる)させ、吸入混合気に混入させ最高燃焼温度を下げ窒素酸化物(NOX)の発生を低減するものです。
EGRコントロールバルブのダイヤフラムに手や指などを当てエンジン回転数を変化させダイヤフラムが変化しているかを確認していましたが、電子制御でバルブを駆動させているタイプが主流で、スキャンツールなどで点検するようになっています。
減速時排気ガス減少装置の機能
電子制御式燃料噴射装置のガソリンエンジンの場合、エンジン暖機後にインジェクタにドライバーを当て片側を耳に当て、エンジン回転を2,500~3,500回転程度に上げ、アクセルワイヤーのスロットルバルブ離したときに、インジェクターの作動音(カチカチ)が一瞬止まり、その後にインジェクターの作動音がすることを確認します。
二人で確認する場合は、運転席でアクセルを踏み、エンジン回転を上げ、その後アクセルを離して確認します。
※スバルでは車種により、減速時排気ガス減少装置の機能が無い場合もあります。
一酸化炭素発散防止装置の配管の損傷、取付状態
一酸化炭素等発散防止装置とは、触媒反応方式等排出ガス減少装置、排気ガス再循環装置、減速時排気ガス減少装置になります。
ホース、パイプのはずれ、損傷、取付状態などを目視で点検します。
運輸支局又は自動車検査登録事務所 窓口受付時間
登録関係 8:45~12:00 13:00~16:00
検査関係 8:45~11:45 12:45~13:45
※手続き等の問い合わせについては、「8:30~17:00」まで受付しています。
継続検査は、有効期間の切れる1カ月前から受けることができます。
ユーザー車検は、最寄りの運輸支局 又は自動車検査登録事務所で継続検査を受ることができます。
※車検(継続検査等を受ける時)の自動車重量税の税額が国交省の専用サイトで調べられます 。
次回自動車重量税額照会サービス
https://www.nextmvtt.mlit.go.jp/nextmvtt-web/nextmvttshokai/init
自動車重量税額照会サービス時間は、9時00分~21時00分(12/29~1/3を除く)。
検査は予約が必要ですので、受検の14日前から前日までに、自動車検査予約サイトをご利用下さい!
https://www.yoyaku.naltec.go.jp/pc/reservationTop.do
検査1ラウンド
書類の受付時間:8:45~10:15
検査時間:9:00~10:15
検査2ラウンド
書類の受付時間:10:15~11:45
検査時間:10:30~12:00
検査3ラウンド
書類の受付時間:12:45~14:15
検査時間:13:00~14:15
検査4ラウンド
書類の受付時間:14:15~15:45
検査時間:14:30~16:00
※土曜・日曜・祭日及び12月29日から1月3日は、休みになっています。